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12月・1月合併号 幼稚園だより

KCKのスクールカラーはGreen(緑)。
スクールの木の葉形ロゴにも表れているこの色は、私たちが大切にしている「育つこと」「循環すること」「未来へつなぐこと」を象徴しています。
今年度、幼稚園コースの子どもたちと一緒に、自分たちのスクールをより良くする活動として「Green Day」が始まりました。
 
11月のGreen Day当日。
子どもたちの小さな手には軍手がはめられていましたが、そこかしこから笑い声が聞こえてきます。
“Oh, two fingers in one place! Ha, ha!”
(あれ! 指が二本いっしょに入ってるよ!)
 
“Look!”と誇らしげに両手を見せてくれる子もいれば、左右が逆で滑り止めのぼつぼつが手の甲についてしまい、
“Oops! Sorry, can you try it again?”
(おっと、残念。もう一回やってみよう)
と言われている姿もあり、軍手をつけるだけでもてんやわんやです。
 
それでも、5月に行ったときとは明らかに違う様子がありました。
一度でも経験していると、子どもたちの中に “I can do it!”(できるよ!) という気持ちが芽生えるようです。
5月には難しく感じられた動作も、11月には目的を理解し、どの手も積極的に動いていました。
 
この日、小さな軍手の集団は、黒いビニール袋に落ち葉や土、米ぬかを何層にも重ねて入れ、コンポストを作りました。
園庭に落ちている石を拾い集めたり、保護者の皆さまと一緒にほうきを使って落ち葉を掃き、大型コンポストへ運び入れる作業も行いました。
小さな手も、大きな手も、みんなが生き生きと喜びながら働いていた一日でした。
 
その数日後の外遊びの時間。
たまたま見つけた石をバケツに入れていると、
“I found one more!”(もう一個あった!)
“It’s dangerous if you step on it.”(ふんだらあぶないからね)
と、子どもたち同士で声を掛け合う姿が見られました。Green Dayをきっかけに、日常そのものが“Green Day精神”に包まれていることを感じ、心から素敵だなと思いました。
 
そして1か月後——。
園庭に置かれた黒いビニール袋を前に、こんなやりとりが始まりました。
 
“Oh, no! Whose bag is this? Maybe Santa Claus forgot his bag here!”
(あらまあ、誰の袋だろうね? サンタさんの忘れ物かな?)
 
“No! Santa’s bag is white!”
(ちがうよ! サンタさんのバッグは白いんだよ!)
 
“Oh, I see. What color is this?”
(おお、そうだった。これは何いろ?)
 
“Black!”(くろ!)
 
さらに袋に書かれた名前を見つけ、
“Oh, there is a name on this bag! It says ‘Orange Caterpillar’ and ‘Yellow Caterpillar’… Do you remember what’s inside?”
(名前が書いてあるよ! Orange Caterpillar と Yellow Caterpillar だって。中に何を入れたか覚えてる?)
と問いかけると、子どもたちは元気いっぱいに手を挙げました。
 
“Leaves!”(はっぱ)
“Soil!”(つち)
“Rice bran!”(こめぬか)
“Water!”(みず)
 
すべて正解。
11月に仕込んだコンポストの記憶が、しっかりと子どもたちの中に残っていました。
 
“What’s inside the bag now? Can you make a guess?”
(今は中に何が入っているかな?)
 
「カブトムシの幼虫!」という声も飛び出し、
“Open, please!”(あーけーてー!)
の掛け声で袋を開けてみると……劇的な変化はないものの、葉は湿り気を帯び、黒っぽく、触ると崩れやすくなっていました。
 
匂いをかいで、
“Good smell, I like this smell.”(いい匂い!この匂い好き)
“Oh, no! I don’t like this smell.”(この匂いきらい)
“Smells like forest!”(森の匂いがする!)
と、感じ方もさまざまです。
 
最後は
“Mix, mix, mix!”(まぜまぜ〜)
と声をそろえて中身をかき混ぜ、再び袋の口をしばりました。
また1ヶ月後に中身を見てみると、黒い袋の中の変化が見られるはず。
冬の園庭の片隅で、目には見えない微生物たちの静かでドラマチックな働きが繰り広げられています。
 
2026年も、Kids Creationの「自然の循環の庭」で子ども達は体験を通してたくさんのことを学び、思いっきり遊び、成長してくれるはずです。
新しい年もよろしくお願いいたします。

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11月の幼稚園だより

 “Come here, please!(こっちに来て〜)”
と手を引かれるままに園庭の小山を登っていくと、その男の子は嬉しそうに「この前ね、ここでカマキリを見たんだ!」と教えてくれました。
けれども、いざ行ってみると、そのカマキリの姿は見当たりません。
「この前ね、この前、I saw カマキリ、mantis!」と、目撃現場を指さしながら目を輝かせて話してくれます。
結局その時はカマキリに出会えませんでしたが、彼はすぐに別の場所を指差して「ここ、蜂の穴だよ!」と教えてくれました。
見ると木の幹に蜜で濡れたところがあり、「前にこの中に蜂がいたの!」とのこと。
そんなことがあるのかしら?と覗き込もうとした瞬間、また元気な声で“Come here, come here!”と手を引っ張られ、今度は山を降り始めます。
 
“Spider, spider!”
指さす先には大きな蜘蛛の巣がありました。
“Look at the big one! Oh, two small ones… oh! More spiders!”(見て!大きいのがいるよ!小さいのが2ひき…あ!もっといっぱいいる!)
まるで蜘蛛の集合住宅のような光景に、二人でしゃがみ込んで見入っていると、今度は“Look! Dragonfly! Oh, 1, 2, 3… so many!”(見て!トンボだよ!いっぱいだ!)
蜘蛛の巣の向こうを飛び交うトンボたちが目に入ります。
すると男の子は、トンボが蜘蛛の巣にかからないか心配になったようで、
“Careful, careful!”(気をつけて、気をつけて!)
と一生懸命トンボに声をかけていました。
 
 子どもに手を引かれて園庭を歩くと、自分がいかに「見えていなかったか」に気づかされます。
彼らの目の高さから見える世界には、季節ごとの小さな変化や虫たちの営みが、立体的に広がっています。
大人が想像する以上に、子どもたちはたくさんのことを感じ取り、覚えているのです。
 
 自然の力に心を動かされるその瞬間、子どもたちの内側では、確かに何か豊かなものが育まれている――そう感じる出来事でした。

10月の幼稚園だより

 今、Caterpillar のお友だちが夢中になっている室内遊びの一つに、おままごとがあります。
メインキャラクターはママと赤ちゃん。
パパ、兄弟姉妹、そして猫などのペットが登場する事もありますが、ママや赤ちゃんが何人もいる型破りの大家族の時もあります。
”I’m a mommy. You are my baby.(私、ママだから、あなたは赤ちゃんね)” と一人のお友だちが積極的に配役を決めようとします。
時には、 “No, I want to be a mommy.(いやだ。わたし、ママがいい!)”と衝突する事もあります。
お互いが自分の希望をストレートに言い合いつつ、誰もが我慢しすぎないで楽しめる提案を出し合い、ああでもないこうでもないと話し合うのです。
ところで、このおままごとタイムには、妊婦さんが登場することがあります。
Tシャツにぬいぐるみを忍ばせ、大きなお腹を支えながら「よっこいしょ」。
カーペットに横になってお腹をさするその眼差しは、まるで小さな命の胎動を感じているかのようで、すっかり女優です。

 隣では男の子まで大きなお腹を抱え、中の赤ちゃんを起こさないようにと静かに座っていることも。
”Do you have a baby in your tummy?”と聞くと、真剣な顔でこっくり。
その優しい気配りは、きっと身近な大人の姿から受け取ったものでしょう。
このおままごとの世界はとっても自由!
ある日は家族で水族館へ出かけ、またある日は何を売っているのかわからない(ハンバーガーショップではない)「マック屋さん」が威勢よく呼び込みを始めます。

 
 少々賑やかすぎるときもありますが、子どもたちの想像力が羽ばたくこの時間は、彼らが見て、感じている世界の鮮やかな縮図そのもの。
配役をめぐる自己主張と交渉、お腹の赤ちゃんへの深い共感、そして世界を自由に作り変える創造力。
「遊び」を通して、子どもたちは生きる力を全身で「真似び(まねび)」、成長していくのだと実感させられます。

9月の幼稚園だより

 園庭遊びの時間に地面に這いつくばるようにしていつも虫探しに大忙しのButterflyさんがいます。
手にはバケツやポット。
「何かいるはず」という眼差しで、茂みや水辺、木の幹、落ち葉の下、もちろん空中も、常に生き物の姿を探し求めています。
 
 ある日、彼はバケツを誇らしげに見せてくれました。
中にはあらかじめ入れておいたのか10センチくらいの土が敷いてありました。
その上にセミのぬけ殻が一つ。
――いや待て、ぬけ殻が動いた!
鎌のような前足をゆっくり動かしてプラスチックのバケツの側面を登ってくるではありませんか! 
セミの幼虫です。
まるでロボットのようなその動き。
“Oh, no! You need to let him go right now. It’s a cicada’s baby. He came from under the ground.  He’s so desperate to go up and hung on the tree, because when it’s time, his back will crack open, and turns into a cicada!
(今すぐ逃してあげなくちゃ! セミの赤ちゃんだよ、これ。土の中から出てきたの。木に登りたくって仕方ないの。登ってじっとしてて、時が来たら背中が割れてセミに変身するんだよ。)”
もちろん、虫博士の彼は、そんな事は説明されなくても知っているはずです。
”OK,OK……”と言いつつなかなか木に戻してあげる気配はなく、相変わらず這いつくばっています。
「もっと他の虫いないかなあ〜」とそのバケツの中に加える虫を探している様子。
 
 こちらはすっかりセミの赤ちゃんに同情し、”Please, let him go, now!(ねえ、今、行かせてあげて!)”と急かしますが、どうも響かないのでヤキモキしてしまいました。
「自然っていうのはね、あなたの都合で動いてるんじゃないんだから、今すぐ羽化が始まっちゃうかもしれないでしょ!」と強く言いたい気持ちをグッと我慢。
その間にも幼虫を見ようとたくさんのお友だちが集まってきました。
 
 その後、担任の先生に聞くと、”When it’s clean up time, he let it go on the tree. He was telling me that it will turn into a cicada later.(お片付けの時間になったら、木に戻してあげてた。後でセミになるんだよって教えてくれた)”との事。
それを聞いてホッと一安心。
 
 彼はセミが羽化するのに最適なタイミングを、自分なりに感じ取っていたのかもしれませんね。

8月の幼稚園だより

 KCKの朝は、“Good morning, everyone!”と、子どもたちがクラスに入りながら挨拶する声があちこちから聞こえます。
発音するのは難しくない言葉ですが、先生に言われて返すお返事としてではなく、教室に入る時に自分から言うのは、恥ずかしさも手伝って、なかなか難しいものです。
数ヶ月前の春、新米Caterpillar さんは扉を開けてもらっても、モジモジニコニコしているか、小さなつぶやくような声で”Good morning, everyone!”と言うのが精一杯のお友だちがほとんどでした。
 
 ある朝、Caterpillarの教室の扉の前までやってきた子を見かけたので、”Are you ready to say‘Good morning, everyone’?”と聞くと、コックリうなずきました。
心の準備はできているようなので、カウントダウンをして扉をパアッと開けてあげると、その子は背筋をピンと伸ばして息を吸い込み、”Good morning, everyone!”と大きな声で挨拶ができました。
すると、教室にいた子も先生も一斉にそのお友だちの方を向いて、”Good morning, 〇〇!”と笑顔で返してくれたのです。
その時、「なるほど」と思いました。彼らにとって、登園して教室の扉が開く瞬間は、一人の俳優が舞台に立ち、幕が上がっていく瞬間と似ているのかもしれない、と。
その日、扉の前まできた友だちに同じように声をかけると、どの子も扉が開いた瞬間に、嬉しそうに大きな声で挨拶していました。
 
 嬉しいことに、大きな声で挨拶ができると、クラス全員が挨拶を返してくれます。
何か手元でやっていることから少しでも顔をその子の方に向けてくれるのです。
この朝一番の小さなリスペクトの瞬間は余程楽しいらしく、一度できるようになると、毎日大きな声で言えるようになっていきました。
 
 9月になると、体も声も更に大きくなってスクールに戻ってくる事でしょう。
どんな幕開けになるのでしょうか?新しい舞台の幕開けが今から楽しみでなりません。
Enjoy your summer, everyone!

7月の幼稚園だより

 KCKの園庭にあった3つの砂場は、数ヶ月前に大改造を経て、今は大きな長方形の砂場が1つになりました。
このながーい砂場は、子どもたちに大ヒット!
 
  一番端ではお寿司やおにぎりを握っている子がいたり、その隣ではチョコレート色のスープをかき混ぜている子がいたり。
さらに隣ではひたすら深く砂を掘り進めて、まるで落とし穴を製作中かのような女の子もいます。
そしてその隣には、フライパンに砂をめいっぱい盛り付けて、ペタペタと表面を撫でている男の子の姿も。
 
 大人の私が「場所をとっちゃうかな?」と最初は遠慮していましたが、小さな手に引かれるまま、私も砂場に入れてもらいました。
中に入ったからには…と始めたのは、大きな山作り。
道具がなかったので素手で砂をかき集め、どんどん積んでいくと、子どもたちはその様子をじっと見つめていました。
「What are you making?(何作ってるの?)」と聞いてくるので、「I am making a big mountain. Can you help me?(大きなお山だよ。手伝ってくれる?)」とお願いすると、直接砂を触るのが苦手そうだった子たちも、カップやスプーンで砂を寄せてくれました。
 
 みんなで夢中になってでっかい山を作り、ある程度大きくなったら、今度は上から手のひらで円を描くように撫でて山を平らにしていきます。
「Now it looks like a big cake!(さあ、今度は大きなケーキに大変身!)」と言って、落ち葉でデコレーションしたり、小枝をろうそくとして立てたりしていると、子どもたちも手伝ってくれました。
みんなが思い思いにろうそくを立てるので、まるでハリネズミのよう!
すると、自然と「Happy birthday to you」の歌が始まりました。
 
 こんなことを何日か続けているうちに、子どもたちの小さな手も、砂を触ることに少しずつ躊躇しなくなりました。
道具がなくても砂さえあれば楽しいことが始められるのです。
お寿司やおにぎりは握ると崩れやすく、ちょっと難しい。
でも、梅雨時の雨上がりの濡れた砂は、とても形を作りやすいんです。
毎日の自然な遊びの中で、子どもたちは様々な気づきを得て学び、遊びの幅を広げていきます。
 
 みんなでワイワイと遊べる砂場は、まるで園庭にできた露天風呂のよう。
みんなで入って、みんなで遊んで、みんなを笑顔にしてくれています。

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