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Column 2025年1月

2月の幼稚園だより


									
 あるCaterpillarさんは春からずっと園庭のワゴンがお気に入り。
毎日のようにそれを引いて歩いています。
そのワゴンを他のお友だちが使っていると、地団駄踏んで大泣きをしていたり、真っ赤な顔をして泣きながら、後を追う彼を見かける事もありました。
そんな時、担任の先生は「You need to use your words. You don’t need to get upset.(言葉を使うんだよ。怒るのではなくてね)Let’s ASK him ‘Share, please!‘. Let’s go and talk together, OK?’(一緒に使おうってお願いしてみなくちゃ。一緒に行って話してみようね。
」と、彼の背中を優しくさすりながら話していました。
 
 冬休み明けのある日、Cocoonさんがそのワゴンを集団で引いていると、ワゴンが大好きな男の子が自分のお友だちと一緒にやってきて、何も言わずに奪ってしまいました。
ワゴンを取られて泣いていた子と一緒に話を聞きにいくと、彼は
Sorry…(ごめんね)”とすぐに謝りました。
泣いていた子はあっけない謝罪の言葉に戸惑っている様子でしたが、 “It’s OK.(いいよ)”と、小声でお返事。
謝罪を受け入れてくれた事に安堵した彼は“Thank you. May I use this?(ありがとう。これ、使ってもいい?)”と聞きました。
けれども、それはなかなか承諾してくれません。
長い沈黙にしびれを切らして“Answer, please(お返事をお願いします)”と言っても黙っています。
三度目に “Answer, please”を言った時、とうとう “OK”と静かなきっぱりとした口調で答えてくれました。
男の子は嬉しそうに “Thank you!”と言い残すと、ゴロゴロといつもの調子で走り出しました。
この一連の会話は、この男の子にとって大きな勇気のいるものでした。ピッタリと身を寄せてくる彼の小さな体から緊張と我慢している様子が伝わってきていました。
でも、彼は泣いたり無理やり奪い返すのではなく、言葉で解決することができたのです。
最後に”Thank you!”と彼が言った瞬間、思わず私は”Good job! You did it!”と両方のお友だちをもみくちゃにして喜びました。
 
 KCKの子どもたちは、言葉を使って心を育てていきます。
子どもたちが言葉を通して心を通わせることで、世界が今よりもっと優しく、平和になるように…。
私たちスタッフは、未来の世界を担う子どもたちの心を育てるという大切な役割を、これからも心を込めて果たしていきたいと思います。

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