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Column 2024年5月

6月の幼稚園だより


									
毎日の園庭遊びで、子どもたちの手を見ていると、面白い世界が広がります。
 大きな石をそうっと持ち上げて、そこに見つけたダンゴムシを愛おしそうにつまみあげ、手のひらで散歩させている女の子。
その横から人差し指一本を出して軽〜くタッチをして引っ込め、全身に電気が走ったかのようにプルプルしながらケラケラ笑い出す子。
 男の子の小さな手に引かれて一本の木の近くへ行き、彼が幹を指差すので見てみると、アリの行列が上へ下へと動いています。
「なんだ?」「どして?」「どこに?」せかせかと歩いているアリを見て、溢れ出る疑問をアリに向かって忙しくささやいています。
落ち葉を手に取り、アリの通り道にそっとそえて、アリを一匹でも乗せてみようとしている間、アリたちの声を聞こうと一生懸命耳をすませているかのようでした。
 
ガチャポンプのハンドルを握る子の手はグッと力を入れて下ろします。
その度に「どれだけ水が出て来るかな?」と期待をしているのがよくわかります。
ところが、1回おろしても水が出てこず、2回、3回と上げ下げしても出てこない時があります。
「どうしてだろう?」と思っている間に、手を洗いにきたButterfly さんが”Excuse me!”とやってきて、力強くハンドルを握り、リズム良く上下させると、あっという間に水が吹き出して来ます。
「ああ、そうやるんだな」と納得顔。改めて自分の手でハンドルを握り、早いリズムで上下させてみると、自分でもびっくりするほど水が出てきて、顔中で笑い出します。
 
人間の手は、大昔から好奇心と共に文化や文明を編み出してきました。
園庭で子どもたちの手を見ていると、「なるほど」と思います。
自分で楽しいことを見つけ、チャレンジしていく精神の持ち主の手。
これから先、何を見つけ、何を創造していく手に成長するのでしょう。
楽しみです。
そして、今だから握らせてくれるその手をとれる幸せを忘れないようにしたいと思います。

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