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6月の幼稚園だより


									
KidsCreationのAfterschoolのために階段を上がる子たちに”Hello!”と声をかけると、必ず “Hello!”と返してくれます。
小学生になった彼らを見かける時、ふと数年前のこと思い出します。
Preスクールに通っていた頃、お母様が「この子、全然落ち着きがなくって、ずっと走り回っているんです…」と困り顔で言われていた男の子。
小学2年生になった今では、落ち着いた、ゆったりとした足取りで自分のクラスに向かっていきます。
ランドセルを背負ってお友だちとおしゃべりしながら玄関で上履きをはこうとしている女の子。
彼女がButterflyクラスの頃、玄関で靴を履きかえ教室に入るまで、毎日のようにドラマチックに泣き叫んでいた時期がありました。
「この子はこの先大丈夫なのだろうか、、、」そんなふうに思われる時があったとしても、数年後には、「あの頃はそうだったね」と笑って話せるくらい子ども達は成長してくれるものです。
そう、子どもたちは常に物事を吸収し、大人の目に見えるところも、見えないところも、常に変化し、成長しています。
 
一方、私たち大人が忘れてはいけないのは、私たち自身も、ほんの数十年前は幼い子どもだったという事。
そして、あの頃から一日、また一日と過ごす事によって少しずつ成長し、変化して今の自分となり、そしてこれから先も変化し続けられるという事です。
歳を重ね、少々癖がつき、そこかしこが固くなってきたからといって、成長を諦める必要はありません。
成長する事については、子どもたちほど優れた先生はいません。
現役の子どもたちと共に過ごす濃厚な時間の中で、「人間の可能性」を直に感じながら、常に柔軟に成長していける恵みを味わいたいと思います。

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7月の幼稚園だより


									
ある朝のことです。
カーペットにゴロンと横になったまま、動かない男の子がいました。
“Good morning!”とみんなが挨拶をしても、お名前を呼んでも、眠たいのか、寂しいのか、何も反応がなく、石のように動きません。
”Who can help him unpack?(彼のアンパックを手伝ってくれるお友だちはいるかな?)”と一声かけると、あっという間にたくさんのお友だちが寄ってきました。
”I can help!”と一人の子が水筒をフックにかけてくれたかと思うと、”I can help, too!”と、white hatをそうっと脱がせてフックにかけてくれる子もいます。
ほぼ同時に、”Me, too!”とbackpackを開けて、タオルを探し出してくれる子もいるではありませんか。
驚いた事に、ぴくりとも動かなかった男の子が周りの気配を感じて、自分でひょっこり顔をあげ、「おー、ありがたや!」と言わんばかりの表情で、その様子を見ているのです。
”Can you say ‘Thank you’ to your friends?(みんなに「ありがとう」って言おうか?)”そう促すと、ニコニコ顔で”Thank you!”と伝えることができ、周りのみんなも”You’re welcome!”と、爽やかに返してくれました。
 
また、別のクラスでは、stamp bookを開いて、その日のスタンプをどこに押したら良いのかわからない様子の女の子がいました。
そばにいた男の子に“Can you help her with stamp book?(スタンプブックのお手伝いお願いできるかな?)”と聞くと、”Today is here!(今日はここだよ)”と指で押さえて教えてくれました。
あまりに一瞬だったので、女の子にはわからなかったようです。
女の子が”Where?”と聞き返すと、今度はもう少しゆっくりと”Here.”と指を置き、教えてくれました。
女の子はなるほどとスタンプを押したあと、”Thank you!”とお礼を言っていました。
男の子は”You’re welcome!”と、嬉しそうにお返事していました。
 
自分がhelpを求める時もあれば、helpをする側にまわる時もあり、お互いに支え合うのが、人間です。
KCKでの生活の中で助け合いをたくさん経験し、お互いの素敵なところ、かっこいいところ、優しいところを肌で感じながら、豊かで幸せな人生の礎を築いてもらいたいと願っています。

5月の幼稚園だより


									
新年度が始まると、朝の登園時、「ママー! ママがいいー!」と大きな声で泣く子ども達の声でエントランスが急に賑やかになります。
先日、これを聞いたNoahが“Sound of April!(4月の音だねえ〜!)”と言っていました。
 
この声を聞いていると、その涙の理由の「真っ直ぐ」さに心打たれます。
一人の子どもがママがいい、パパがいい、お家に帰りたい、という気持ちで流す涙。
こんなに真っ直ぐな涙の理由が他にあるでしょうか?
「そうだよね、ママと一緒がいいんだよね」と同意するしかありません。
口を大きく開けて、涙をいっぱい流しながら「ママー!」と全身に力を込めて泣き叫ぶお友だちのところに、以前、同じように泣いていたお友だちが、入れ替わり立ち代わり寄ってきて、頭を撫でてあげたり、「あそぼ」と誘ってくれたり、「ママはあとでくるよ。」と冷静に教えてあげる事があります。
この子たちは知っているのです。
ママやパパがいないスクールでどんなに心細く感じるのか、その気持ちが痛いほどよく分かるのです。
そして同時に、ここにいれば安心で、ここの先生たちと一緒にいれば面白い事ができる事も知っているのです。
そしてもちろん、ママやパパはお迎えの時間になったらきてくれる、ということも知っているのです。
そう。彼らは文字通り体で体験して、自分を温かい腕の中にハグして受け入れ、涙を拭いてくれる先生やお友達がKCKにはたくさんいるんだ!ということを学んだのです。
一緒に歌を歌い、lunchを食べ、お外で遊び、世の中はこんなに広く、素晴らしいという事を色々な方法で教えてくれる先生や仲間たちがいる幸せを知っているのです。
KCK の学びの第一歩はここから始まります。
 
ゴールデンウィークが開けると、おさまりかけたSound of AprilがSound of Mayとなって復活するかもしれません。
でも、心配はいりません。
子ども達はお互いに声をかけ合って励まし合い、先生とたくさんスキンシップを交わし、日々成長しています。
お子さんの成長する力を信じて、温かい「いってらっしゃい。See you!」の声がけをどうぞ宜しくお願いいたします。
 
Have a wonderful vacation.

4月の幼稚園だより


									
三月のある日、教室のカーテンの影にてんとう虫が止まっていました。
無言で私に教えてくれた男の子に、人差し指を口に当て、「ヒミツにしようね」というサインを送ると、神妙な顔をして、同じサインを返してくれました。
でも、なんだか落ち着かない様子でソワソワしています。
きっと、誰かに見つからないか、気が気じゃないんだろうな、と思っていると、もう一度寄ってきて「お外に出してあげる」とささやくではありませんか!
“Good idea!”と、私が賛成して窓を開けると、彼はカーテンからてんとう虫をすくいあげ、”See you!”と言いながら、外に出してあげていました。
てんとう虫は小さな手から真っ逆さまに落下しかけたのですが、その言葉に元気をもらったのか、一気に羽を広げて、どこかへ飛んでいきました。
てんとう虫を自由な世界に羽ばたかせてあげたその手は、とても柔らかく、やさしい手でした。
これから先も自然界の命を尊重し続ける手であって欲しいと、願わずにはいられませんでした。
 
 KCKの園庭では、春になると、子どもたちがよく土の中のミミズを見つけます。
ダンゴムシも、アリも活発に動きまわる姿を見かけます。
虫たちだけではありません。
木々の冬芽はほころび、コブシ、モモ、アンズ、サクラ等の花が開き始めます。
命の美しさ、はかなさ、そしてたくましさ。
寒い冬が過ぎ、温かい春の到来と共に、園庭では命の活動が見えるようになってまいりました。
それらの命からの学びは、子どもたちの無意識の中にしっかりと刻み込まれていくに違いありません。
 
 子どもたちとたくさんのドキドキとワクワクを体験した2022年度がまもなく終了します。
今年度、保護者の皆様から頂いたご理解とご協力に感謝申し上げます。
4月になるとそれぞれの子が一学年上がり、新しい年度がスタートします。
一人ひとりにとって素敵な春になるよう、お祈りしています。
Have a wonderful spring vacation!

3月の幼稚園だより


									
Cocoon Skyblueの教室には、気持ちを表す言葉の横に、紙コップがついた表があります。
“Happy” “Sad”はもちろんのこと、 “Silly” “Excited” “Worried” “Angry”など、8つの感情があります。
登園した子どもたちは、自分の名前が書かれたスティックを、その日の気持ちを表す言葉の横に入れます。
Circle time 中に、Cynthiaがスティックを一本ずつ持ち、名前を呼んで、 “Why are you happy today?(今日はどうしてハッピーな気持ちなの?)”と一人ひとりにたずねます。
“I’m just happy!(なんだかハッピーなの!)” と答える子もいれば、“I’m happy, because my mommy and daddy are happy!(パパとママがハッピーだったから!)” “I’m happy, because I had a yummy breakfast.(今日の朝ごはんが美味しかったから!)”など、思いおもいに理由を述べます。
先日の節分の日には、 “I’m scared, because demons are coming today(今日は鬼が来るから怖い気持ち。)”と語ってくれた子もいましたし、 “I feel silly today, because I like being silly.(今日はなんだかふざけたい気分。)”と笑いながら話してくれる子もいます。
1日を過ごすうちに、気持ちが変わったからと、途中でスティックの場所を動かす子もいます。
 
自分のスティックをどこに入れるか考える時、子どもたちは、一瞬自分自身を見つめます。
さらには「どうしてそう感じるの?」と質問され、もう一度自分を見つめ、言葉を探し、答えます。
毎日繰り返し取り組む事で、お互いの気持ちがわかる上に、お友だちの言葉から学びあう機会にもなります。
同時に、自分がどんな発言をしたとしても、表現した自分の内面をクラス全員に受けとめてもらえる体験へとつながっているのです。
 
この取り組みを始めた時に、どうしても自分のスティックをどの紙コップにも入れたがらないお友だちがいました。
入れたくなったらいつでも入れていいよ、とだけ伝えておくと、1週間後には、楽しそうにスティックを入れる姿がありました。
そして、その理由を聞かれる度に、彼は誰よりも嬉しそうにお話ししてくれるようになりました。
周りのお友だちがする事を観察し、なるほど、と納得して自分を表現した時、それまで想像したこともなかった人と繋がる豊かさを経験できたのでしょう。
お友だちや先生に自分を受けとめてもらえる経験は、人の心を確実に開く事を教えてもらいました。
 
6クラスの朝はそれぞれの先生たちのスタイルで始まります。
先生が一人ひとりに”Good morning! How are you today?”とハグし、おしゃべりしながら始まるクラス。
“I am happy!”など自分の気持ちを子どもが書く事から始まるクラス。
先生が歌いながら一人ずつ “How are you?”と聞いて回るクラス。
どのクラスでも、一人ひとりの子どもたちがどう自分を表現し、心を動かし、お互いに繋がる経験ができるか、日々ワクワクと真剣に工夫を凝らし、毎朝子どもたちを受け入れています。

2月の幼稚園だより


											
“OK, let’s get ready to play outside!(お外遊びの準備をしよう!)”
これは、KCKのお友だちが大好きな言葉です。
温かい時期はcolor hatをかぶり、bottleを肩から斜めがけにすると準備完了。
準備ができたお友だちから一列に並びはじめます。
寒い時期は、bottleを持つ前にjacketを着ます。
早く遊びに出たい焦りのためか、jacketを着るのを嫌がる子、焦りながら羽織ったjacketがなぜか上下逆になってしまい、チャックが行方不明になっている子、袖が裏返しになってしまって途方に暮れている子、そしてジッパーが閉められなくて助けを求める子、色々な様子が見られるひと時です。
”I can’t! I can’t!”の大合唱になりかねないこの時こそ、チャレンジのチャンスです。
 
こんな時、Aikoは”You can try together! Let’s do it together!(一緒にやってみようよ。一緒にチャレンジしようよ。)”と、自分の上着のジッパーを外し、子どもたちの正面に立ちます。
”Step 1! You can pull this one ALL the way down, and put them together.(ステップその1! ここをいちば〜ん下まで下げて、ぴったんこにくっつけます)”, 
“Step 2! You can put this inside, and go ALL the way down to the end! (ステップその2! こっち側のこれを中に入れて、いちば〜ん下まですと〜んと下げるよ)”, 
“Step 3! Make sure you have everything straight.(ステップその3! 全部をピーンとまっすぐにするよ)”, 
“Step 4! You can zip up, up, up! See? You can do it! (ステップその4! 上へまいりま〜す! ほ〜ら、できました!)
自分のジッパーでゆっくりと実演しながら、説明してくれるAikoの手元を見る子どもたちの目は、真剣そのもの。
教えてもらってすぐにできた子にとっては、”Look, Aiko! I can do it!”と、満面の笑みを浮かべ、自分の手で出来た事に感動、興奮する瞬間です。
運悪く布地がかんでしまい、ジッパーが上がらなくなったり、そもそものスタートポイントが整えられなかったりして、その時に自分で出来なくても大丈夫。
毎日繰り返すうちに、先生やお友達から教えてもらったり、真似をしてみたりしているうちに、出来た!という瞬間がきます。
その後も失敗と成功を繰り返す中で、自分の指先でコツをみいだし、徐々に出来るようになります。
 
“I can’t!”が “I can do it!”に変わる、きらりと光る瞬間を、2023年もたくさん経験してもらいたい。
そんな思いで、寄り添っていきたいものです。

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