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2月の幼稚園だより


											
“OK, let’s get ready to play outside!(お外遊びの準備をしよう!)”
これは、KCKのお友だちが大好きな言葉です。
温かい時期はcolor hatをかぶり、bottleを肩から斜めがけにすると準備完了。
準備ができたお友だちから一列に並びはじめます。
寒い時期は、bottleを持つ前にjacketを着ます。
早く遊びに出たい焦りのためか、jacketを着るのを嫌がる子、焦りながら羽織ったjacketがなぜか上下逆になってしまい、チャックが行方不明になっている子、袖が裏返しになってしまって途方に暮れている子、そしてジッパーが閉められなくて助けを求める子、色々な様子が見られるひと時です。
”I can’t! I can’t!”の大合唱になりかねないこの時こそ、チャレンジのチャンスです。
 
こんな時、Aikoは”You can try together! Let’s do it together!(一緒にやってみようよ。一緒にチャレンジしようよ。)”と、自分の上着のジッパーを外し、子どもたちの正面に立ちます。
”Step 1! You can pull this one ALL the way down, and put them together.(ステップその1! ここをいちば〜ん下まで下げて、ぴったんこにくっつけます)”, 
“Step 2! You can put this inside, and go ALL the way down to the end! (ステップその2! こっち側のこれを中に入れて、いちば〜ん下まですと〜んと下げるよ)”, 
“Step 3! Make sure you have everything straight.(ステップその3! 全部をピーンとまっすぐにするよ)”, 
“Step 4! You can zip up, up, up! See? You can do it! (ステップその4! 上へまいりま〜す! ほ〜ら、できました!)
自分のジッパーでゆっくりと実演しながら、説明してくれるAikoの手元を見る子どもたちの目は、真剣そのもの。
教えてもらってすぐにできた子にとっては、”Look, Aiko! I can do it!”と、満面の笑みを浮かべ、自分の手で出来た事に感動、興奮する瞬間です。
運悪く布地がかんでしまい、ジッパーが上がらなくなったり、そもそものスタートポイントが整えられなかったりして、その時に自分で出来なくても大丈夫。
毎日繰り返すうちに、先生やお友達から教えてもらったり、真似をしてみたりしているうちに、出来た!という瞬間がきます。
その後も失敗と成功を繰り返す中で、自分の指先でコツをみいだし、徐々に出来るようになります。
 
“I can’t!”が “I can do it!”に変わる、きらりと光る瞬間を、2023年もたくさん経験してもらいたい。
そんな思いで、寄り添っていきたいものです。

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3月の幼稚園だより


									
Cocoon Skyblueの教室には、気持ちを表す言葉の横に、紙コップがついた表があります。
“Happy” “Sad”はもちろんのこと、 “Silly” “Excited” “Worried” “Angry”など、8つの感情があります。
登園した子どもたちは、自分の名前が書かれたスティックを、その日の気持ちを表す言葉の横に入れます。
Circle time 中に、Cynthiaがスティックを一本ずつ持ち、名前を呼んで、 “Why are you happy today?(今日はどうしてハッピーな気持ちなの?)”と一人ひとりにたずねます。
“I’m just happy!(なんだかハッピーなの!)” と答える子もいれば、“I’m happy, because my mommy and daddy are happy!(パパとママがハッピーだったから!)” “I’m happy, because I had a yummy breakfast.(今日の朝ごはんが美味しかったから!)”など、思いおもいに理由を述べます。
先日の節分の日には、 “I’m scared, because demons are coming today(今日は鬼が来るから怖い気持ち。)”と語ってくれた子もいましたし、 “I feel silly today, because I like being silly.(今日はなんだかふざけたい気分。)”と笑いながら話してくれる子もいます。
1日を過ごすうちに、気持ちが変わったからと、途中でスティックの場所を動かす子もいます。
 
自分のスティックをどこに入れるか考える時、子どもたちは、一瞬自分自身を見つめます。
さらには「どうしてそう感じるの?」と質問され、もう一度自分を見つめ、言葉を探し、答えます。
毎日繰り返し取り組む事で、お互いの気持ちがわかる上に、お友だちの言葉から学びあう機会にもなります。
同時に、自分がどんな発言をしたとしても、表現した自分の内面をクラス全員に受けとめてもらえる体験へとつながっているのです。
 
この取り組みを始めた時に、どうしても自分のスティックをどの紙コップにも入れたがらないお友だちがいました。
入れたくなったらいつでも入れていいよ、とだけ伝えておくと、1週間後には、楽しそうにスティックを入れる姿がありました。
そして、その理由を聞かれる度に、彼は誰よりも嬉しそうにお話ししてくれるようになりました。
周りのお友だちがする事を観察し、なるほど、と納得して自分を表現した時、それまで想像したこともなかった人と繋がる豊かさを経験できたのでしょう。
お友だちや先生に自分を受けとめてもらえる経験は、人の心を確実に開く事を教えてもらいました。
 
6クラスの朝はそれぞれの先生たちのスタイルで始まります。
先生が一人ひとりに”Good morning! How are you today?”とハグし、おしゃべりしながら始まるクラス。
“I am happy!”など自分の気持ちを子どもが書く事から始まるクラス。
先生が歌いながら一人ずつ “How are you?”と聞いて回るクラス。
どのクラスでも、一人ひとりの子どもたちがどう自分を表現し、心を動かし、お互いに繋がる経験ができるか、日々ワクワクと真剣に工夫を凝らし、毎朝子どもたちを受け入れています。

1月の幼稚園だより


											
つい先日のことです。
お外遊び中に、何をしているでもなく、退屈そうにぶらぶらと歩いている自分の担任クラスの子をみつけました。
とっさに、”I love you!”と言いながら両手で作ったハートから相手の子を覗き見ました。
すると、その子はニーッと笑い、”Thank you.”と小さな声で答えてくれました。
お隣にいたお友だちにも言ってみました。
”I love you!” するとはにかんだ表情で”No!”と言って地団駄踏み始めました。
彼女の向こう側にいたお友だちも同じで、二人で地団駄踏みながらどこかに行ってしまいました。
すかさず大げさに泣くふりをしていると、”What happened?(どうしたの?)”と寄ってきてくれた子がいました。
その子にも、”I love you!”とハートを作ると、その子は何のためらいもなく”Thank you! I love you, too!”と言い、私が両手で作ったハートの反対側から覗き込んできました。
ケラケラと笑いながら次々と”I love you!”を周りの子に言っていると、ほとんどの子が嬉しそうに”Thank you”、”I love you!”と答えてくれるではありませんか!
先程地団駄踏んでいた子たちが戻ってきたので、何度か言い続けていると、地団駄組の二人も”I love you, too!”と大きな声でとても嬉しそうに返してくれるようになりました。
実はこの言葉、あるButterfly さんが教室の扉から身を乗り出し、Origamiで作ったハートと共に私に差し出してくれた言葉でした。
あまりにも唐突に差し出された素敵なプレゼントに、戸惑い”Oh! Thank you. I love you, too.”と言ってみたものの、嬉しさともったいなさ、気恥ずかしさ、そして驚きが混ざった気持ちでした。
まさに、地団駄組の心境です。
けれども彼にもらったプレゼントは私の中で温かいまま確かに残り、私から他のお友だちに広がっていきました。
”I love you”連続ビームで遊んだ日、園庭は木枯らしが吹いていましたが、寒さを忘れるほどみんなでケラケラ笑い、ぽかぽかと体の中から温かくなった気がしました。


年末年始、ご家族で過ごす時間の中で、ぜひ、”I love you”ビームを発してみてください。
両手で双眼鏡を作るように丸を作り、両親指を合わせたまま下に伸ばします。
そして相手をハートの中に見ながら”I love you!”と言い、ハートを差し出します。
目には見えない温かいものが人から人へ広がっていく事、うけあいです。
Have a wonderful winter vacation!
 
 
 
 
 
 
 

12月の幼稚園だより

11月の第4木曜日はThanksgiving Day。
イギリスからアメリカ大陸に渡ったPilgrimと呼ばれる人たちが新しい土地での初めての収穫を神様に感謝したことが起源の行事です。
メイフラワー号でやってきたPilgrim達に作物の育て方を教えてくれたネイティブアメリカンの人たちを招いてお食事会をしたそうです。
 
KCKでも、毎年11月には子どもたちと共に”Thankful”という言葉に思いを巡らせる時を持ちます。
自分たちがどんなものに感謝の気持ちを持つか、言葉や絵で表現してもらいます。
 
数年前、Cocoonさんのお友だちが、“I am thankful for foods.(わたしは食べ物に感謝します)“と書こうとしていると、
隣の席の男の子が、“What? All the foods? I am thankful for ice cream, chocolate and all the snacks. But not the vegetables! (え? 食べ物なら何でも? ぼくはアイスクリームとかチョコレート、他のスナックなら全部好きだよ。でも野菜はいやだなあ!)”と言っているのが聞こえました。
なるほど。と思わされる言葉でした。
大人は「食べ物がある事がありがたい」と何の疑いもなく言葉にできます。
けれども5歳さんには5歳さんの理論があり、自分が好んで食べるものでないと“Thankful”の気持ちにはなれないのも無理はありません。
1年後、この男の子はButterflyさんになりました。そして、“I am thankful for lunch!(ランチ、ありがとう!) と、書いていました。
いつの間にか、お野菜も含めてほぼ毎回lunchを完食できるようになっていた彼は、昨年とは違う誇らしい気持ちをそのまま表現してくれました。
 
子どもたちは本当に素直です。
“I am thankful for my mom, and dad!(パパ、ママ、ありがとう!)” “I am thankful for my toys!( おもちゃに感謝!)”“I am thankful for Lambhorgini!(ランボルギーニに感謝!)”など、自分の気持ちをストレートに出せるのです。
“like”や“love”とつながっている場合もあるようですが、何度も何度も“Thankful”という言葉に思いを巡らせ、自分の身の回りの物に感謝することを少しずつ学んでいきます。
 
是非、ご家庭でもThankful(感謝)の気持ちに気づかせてあげてください。

11月の幼稚園だより

“Go Away!”という歌があります。
直訳すると、「あっち行け!」。
”Go away, big green monster.Go away! Go away! Go away big green monster. Go away!”と始まる歌です。
Big green monster, scary witch, white ghost などを「あっち行け!」と追いはらう歌です。
”Go away!”と歌う時、両手を大きくふってモンスターや魔女を追い払う動きをします。
KCKに通うお友だちの大半は、Preschool、あるいはPrepre-schoolから歌ってきたこのHalloween Song。
毎年この時期にこの歌が聞こえてくると、ひとりの恥ずかしがり屋さんを思い出します。
体が小さく、色白のその女の子は、おてんばではありましたが、声を出す事はめったにありませんでした。
10月のmonthly songとして”Go Away!”を聞いているうちに、彼女の体がむずむずしはじめて、”Go Away!”のタイミングで両手を動かすようになりました。
その後、突然、はっきりと”Go away!”と声に出して歌う声が聞こえた時、私はその初々しい響きに感動せずにはいられませんでした。
きっと、それまでも、外には聞こえない声が、彼女の内面に響いていたのでしょう。
そして、コップからお水がこぼれ出るかのようにごく自然に声として彼女から溢れ出た”Go away!”。
これこそが言語を習得していくということだ!と実感した瞬間でした。
「あっち行け! こっちに来ないで! あっちに行ってってば!」とモンスターや魔女を追い払う意気込みが、彼女の声やしぐさから伝わってくるようで、その場に居合わせたこちらの心が震えたのです。
彼女はその後、人生初のHalloween Partyで大泣きをし、わたしに抱っこされながら必死で”Go away!”と歌い、10月が終わるころのレッスンでは、誰よりも大きな声で、”Go Away!”と声を張りあげ、肩がもぎれんばかりに両手でモンスターを追いはらっていました。
 
そんな彼女は昨年度のButterfly さんでした。
卒園式では自分の言葉でスピーチをし、”A Million Dreams”をクラスメートと立派に歌って卒園することができました。
今はAfterschool生としてKids Creationに通ってくれています。
感情が大きく揺れる体験は、子どもの心の成長につながります。
毎日のKCKでの生活の中で、今月もたくさんの体験を積み重ねていきましょう。

10月の幼稚園だより

9月8日木曜日の朝、Kindergarten Festivalの為に浴衣や甚平姿で登園してくれた子どもたち。
どんよりとした曇り空の日でしたが、キラキラの笑顔で園内はいっぱいになり、まるでお日様が顔をのぞかせてくれたようでした。
先生たちも浴衣や甚平などを身にまとってのお出迎えとなりましたが、実は、前もって着付けの練習をしていたのです。
Festival前日、Erikoから浴衣の着付けのレクチャーを受けていたNancy!
なにやら驚いた様子で、”Oh, do I have to wear it so tight? (え!?こんなにぴったり着るものなの?)”と戸惑いの表情。
”Yes. It’s not a dress. Everything is tight when you wear a Yukata. And you have to walk like this…Don’t expect you can take usual one full step.
Your steps will be half steps. So you need to move in double speed if you don’t want to slow down.
(そう。ドレスと違って、浴衣ってぴったり着るものなの。歩き方はこんな感じ…いつもの歩幅では歩けないの。半分くらい。
だからスピードを落としたくないなら、二倍速で自分の脚を動かすの)”
と小さい歩幅でちょこちょこ歩いてみせると、
“Oh, I see. That’s why I have seen people wearing Kimono walking like that.
(ああ、なるほど。たしかに着物を着てる人がそんなふうに歩くのを見たことあるわ)”
としきりにうなずき、さっそくちょこちょこ歩きを真似していました。

昔の日本女性は、浴衣や着物で子どもを背負い、おむつをかえ、子育てをしながら家事もこなしていた事を想像すると、その忍耐力に脱帽するしかありません。
日本人の控えめで、繊細な、ていねいに物事を進める生き方、あるいは文化を、短い歩幅で歩く事でNancyが感じとっていたように見えました。
NancyはKenyaで生まれ、育ちました。
気候も、言語も、人々が受け継いでいる文化も、日本とは全く違う国です。
色々な国の先生達が日本の衣服を身につけ、一緒に日本文化を楽しむ大らかな姿は、子どもたちの記憶にかけがえのない体験として残ることでしょう。

10月は子どもたちが心待ちにしているHalloween Partyがありますね!
運動会の練習も始まっています。
外遊びの楽しい季節。
爽やかな秋風に吹かれながら、KCKのダイナミックな園庭を満喫したいと思います♪

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