Column
3月の幼稚園だより
ある木曜日の朝、“Here you are!(はい、どうぞ!)”と折り紙で折ったラベンダー色の小箱を差し出してくれたButterfly さんがいました。
”Wow! It’s so cute, and beautiful. Who made this? Is it a present for me?(わー、かわいいね。誰が作ったの? プレセントしてくれるの?)”と聞くと、”I made it all by myself. It’s easy. Yes, this is for you.(そう、あげる。私ひとりで作ったの。かんたんなのよ。)”との事。
こんな時、私は必ずお名前を書いてもらいます。
”If you want to give someone a present, it would be better to write your name. So I know who gave it to me.(誰かにプレゼントを渡す時は、自分の名前を書いた方がいいよ。誰にもらった物かわかるようにね。)”
彼女は納得した様子で、小箱を素早く解体して、フラットな折り紙に自分の名前を書き始めました。
そこですかさず、”Wow! You can write so fast! Can you write my name, too?(え!? 自分のお名前書くの早いね! 私の名前も書いてもらえる?)”
とお願いして、綴りをゆっくり言いはじめると、喜んで書き始めました。
けれども、しばらく後、ぴたっと止まってしまいました。アルファベットを思い出せなくなったのです。
すると、そばで見ていたお友だちが教えてくれました。
彼女は結局、全部で6文字の私の名前を、最後まで丁寧に書いてくれました。
そして満足そうに微笑みながらもう一度その折り紙を小箱の形に折ってくれると、箱の中に、彼女が書いてくれた二人の名前がちょうど収まり、なんともいえない温かな小物入れに仕上がりました。
子どもたちの手は、Caterpillar さんからButterfly さんに成長する3年間にサイズが大きくなるだけでなく、たくさんの事ができるようになります。
鉛筆やクレヨン、筆などを持ち、絵や文字を書いて、自分を表現して誰かに自分の思いを伝える事もできるようになります。食事をする時のスプーンやフォークが上手に使えるようになるだけでなく、お箸も使いはじめます。
大人のお手伝いもできるようになります。
自分のことで精一杯だった子が、ふとしたきっかけで、お友だちや先生を笑顔にする為に手を握ってあげることもできます。
一人ひとりが「誰かのために」その手を使える喜びを、これからもたくさん味わってほしい。
そして、その優しい手で、これからの未来にたくさんの平和な景色を描いていってほしいと心から願っています。