Column

8月の幼稚園だより

 KCKの朝は、“Good morning, everyone!”と、子どもたちがクラスに入りながら挨拶する声があちこちから聞こえます。
発音するのは難しくない言葉ですが、先生に言われて返すお返事としてではなく、教室に入る時に自分から言うのは、恥ずかしさも手伝って、なかなか難しいものです。
数ヶ月前の春、新米Caterpillar さんは扉を開けてもらっても、モジモジニコニコしているか、小さなつぶやくような声で”Good morning, everyone!”と言うのが精一杯のお友だちがほとんどでした。
 
 ある朝、Caterpillarの教室の扉の前までやってきた子を見かけたので、”Are you ready to say‘Good morning, everyone’?”と聞くと、コックリうなずきました。
心の準備はできているようなので、カウントダウンをして扉をパアッと開けてあげると、その子は背筋をピンと伸ばして息を吸い込み、”Good morning, everyone!”と大きな声で挨拶ができました。
すると、教室にいた子も先生も一斉にそのお友だちの方を向いて、”Good morning, 〇〇!”と笑顔で返してくれたのです。
その時、「なるほど」と思いました。彼らにとって、登園して教室の扉が開く瞬間は、一人の俳優が舞台に立ち、幕が上がっていく瞬間と似ているのかもしれない、と。
その日、扉の前まできた友だちに同じように声をかけると、どの子も扉が開いた瞬間に、嬉しそうに大きな声で挨拶していました。
 
 嬉しいことに、大きな声で挨拶ができると、クラス全員が挨拶を返してくれます。
何か手元でやっていることから少しでも顔をその子の方に向けてくれるのです。
この朝一番の小さなリスペクトの瞬間は余程楽しいらしく、一度できるようになると、毎日大きな声で言えるようになっていきました。
 
 9月になると、体も声も更に大きくなってスクールに戻ってくる事でしょう。
どんな幕開けになるのでしょうか?新しい舞台の幕開けが今から楽しみでなりません。
Enjoy your summer, everyone!

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